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名も無いそれは、その言葉を聞き逃さなかった
『本当か!?じゃあ早く出してくれ!
鍵はそこの壁に掛かってr』
「待ちなさい」
女性は名無しの言葉を遮って続け様に言い放った
「まだ無条件で出してあげるとは言ってないわ」
名無しはショックを受けた
期待していたせいもあってか、ショックの大きさも相当なものである
『チッ…やっぱり見返りを求めない人間なんていねぇのか…』
名無しの目には世界が腐って見えた
この研究室の元の所持者も、多額の報酬を求めて怪物達を作り、成功したら自分達を残して足早に立ち去った
『で…その条件ってヤツは何なんだ?』
それでも命には代えられないので条件を聞く事にした
そして、それが死以外であった場合は条件を呑む事にした
もう一度言うが、死が怖くない知的生命体など存在しない
「私の知り合いに神社を営む巫女が居るんだけど、最近はどうも元気が無いのよ
だからその子と一緒に住んであげてくれないかしら?」
なんだ意外と簡単な条件じゃないかと思う反面、それは御節介というものではないのかと思ったが口には出さなかった
ただ分かったの一言で了承して、早く檻から出して貰う事にした
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