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川田川「ねぇ・・どうして・・?直すから・・おせっかいもとろいのも直すから・・殺さないで・・・」 俺「もう遅いんだよ。全て。そういうのはもう直らないんだ。俺知ってるんだ。それに、もう決めたことなんだ。じゃぁさ、最後に何か、俺と思い出に残ってること言ってよ」 川田川「いつもフルネームで呼んでくれるのが・・うれしかった。川田川って・・みんな川田って略すから・・」 俺「そっか、だってお前の名前だもんな。・・・略したらお前まで略しちゃうような気も したし・・・・今お前自分の名前呼んだ時なんて思った?お前川田川って言うんだよ。一人の人間として、お前川田川っていうんだ。」 川田川「うん・・・僕それでも孝ちゃんのこと好きだから・・・お腹刺されて殺されても、ずっとずっと好きだから・・」 俺「それ俺をおだててんのか?」 川田川「違うよ・・本当の事だよ・・僕も思ってたんだ。最近孝ちゃんの態度がそっけないから、なにか悪いことしちゃったかなって、ずっと気にしてたんだ。でも、孝ちゃんが正直に言ってくれてよかった。正直、死ぬ機会なんてないし、生きるの辛かったし、このまま死んじゃってもいいかなって一瞬今思っちゃって。。僕うれしかった。」 そう言って彼はにっこり笑った。この時点で、孝の殺意の根源である川田川への憎しみのエネルギーは、川田川の微笑によって殺された。 俺「やっぱ、俺お前を殺さないわ。俺間違ってた。分かって死なれるより、生きててもっと分かり合えたほうがいいや。」 川田川「そっか。。。」 川田川はそう言って下を向いたまま、また微笑んだ。 川田川「お腹・・痛いよ・・」 傷は浅かったが、血は止まらなかった。地面が赤く染まっていた。
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