存在価値

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天文学研究用ロボット。 目の見えない科学者の為に作られた、いわゆる「科学者の目」の役割を果たすもの。 ヒカルはこの男の「目」なのだ。 「今日は特に星の変化もない。幸彦、帰る事を進める。」 「そうか、じゃあこのままいても体が冷えてしまうから、今日は帰ろうか。」 幸彦。この男の名前である。 天文学者でありながら、その知識は他の学問の科学者をも圧倒してしまう。 しかし、視力が年々低下。原因は、不明。 両親は数年前に他界。 このままでは何も出来なくなってしまう。 全く見えなくなる前に、幸彦はヒカルを作った。 ただの研究用ロボットではない、介護機能も備え、 「人らしさ」がプログラムされた、「人に近い」ロボット、ヒカル。 ヒカルのおかげで、幸彦は研究研究を続ける事が出来た。 ヒカルは、幸彦にとってロボット以上の存在だった。
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