私の涙

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原田裕弥の母は…― …死んだのだ。 ある日突然。 なんの前触れもなく。 それは裕弥の小学4年の頃の話だった。 優しい母に優しい父。 家族円満だった。 それは突然やってきた。 朝早くに母が倒れたのだ。 訳がわからない裕弥には、ただ寝起きの頭を起こそうと、夢だ。夢だと言い聞かせていた。 しかし母が倒れたのは現実で… 普通の日の、普通の朝に、いつも通りの朝ではなく、悲しい朝になってしまったのだ。 小学4年だった裕弥は、号泣した。 「お母さん!お母さん!」 (お母さん!) 「……。」 思えば、その日から、針積めた毎日になり、感情がなくなった気がした。 ひたすら働いて、お金のことばかり考えていた。 父も働いて過労死してしまった…。 つまり裕弥には家族がいないのだ。 支えがなくなった今、どう乗り換えれば良いかもわからないまま、今に至ってる気がした。
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