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「ふう…」
ため息をつき、作文をしまった。
(感傷に浸ってるのはここまで。
これ以上浸ってると、おかしくなりそう。)
そう思いながら掃除を続けた。
思い出の品々が次々と顔を出した。
裕弥は気づかなかった。
裕弥は、思い出の品々一つ一つを見るたびに、小さな涙が頬をつたった。
裕弥は、はっとして手を頬に触れてみると、小学4年以来の、止めどなく流れる涙が、あとからあとから流れてくる。
誰もいない室内で、ぽつりと呟いた。
「…どうして?」
裕弥は嘆いた。
もちろん誰が慰めてくれるわけでもない。
しかし裕弥は、ただただ嘆いた。
誰かに頼ることのできない裕弥は、どうして良いのかわからず、小さな涙に大きな不安を込めて流した。
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