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「そうじゃ。持ちつ持たれつじゃ。
わしらは、自分達の分だけでなく、人の分まで考え、行動しとるのじゃ。」
「ふうん。」
「そもそも、わしらは名前は人間じゃが、人間ではない。
それなのに、あのうつけは…。」
少女はびっくりした。
「え!私たち、人間じゃないの!?」
「そうじゃ。
わしらは流れ者のサルじゃ。
…残念だが、うつけはこの田舎に戻ってこれん。」
「それまた何でです?」
井戸端会議は、村の会議となった。
「わしらサルが街に出てみぃ。
捕まえられて、動物園送りじゃ!
…げんに、ありがたみを解らぬものは全員街に行ったまま、今まで帰って来なかった…。」
そう言うと皆は、光輝く街を見て言った。
「街は、地獄じゃ。」
その頃、雄太は…
雄太「街は遠いなぁ。
いくら歩くの好きでも、こんなん無理だな。」
そう言い、山から降りた。
なぜか周りが騒がしくなってきた。
雄太「(何か聞いてみよう。)あの、自分、田舎から来たんですけど…。」
「~~!ーーー!!」
雄太「??」
~人目線~
雄太「ウキッウキッ!」
「うわ!サルだ!!」
「ホントだ!
警察を呼ぼう!!!」
~雄太目線~
雄太「?
(言葉が違うんかな?)」
ワンワン!
雄太「うわ!
なんだあれ!
…生き物か?」
「サル!!お前どっか行け!」
雄太「…サ…サル!?」
「お前、まさかサルだと認識してないのか?」
雄太「え…。」
余りにものショックで固まってしまった。
「とにかく!山に戻った方が身のためだぞ?
じゃないと、芸を仕込まれて散々な目にあう。」
雄太「…確かに…。
人がでかい…サルなのか。」
「おいおい。
俺の話を聞いてたか?
とにかく、山に帰れ!」
雄太「お…おう!
ありがとう!」
走って山の方に逃げた。
雄太(あいつは何て言う動物なんだ…?)
すっとんきょうなことを考えながら走った。
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