自分の涙

2/3
前へ
/18ページ
次へ
「そうじゃ。持ちつ持たれつじゃ。 わしらは、自分達の分だけでなく、人の分まで考え、行動しとるのじゃ。」 「ふうん。」 「そもそも、わしらは名前は人間じゃが、人間ではない。 それなのに、あのうつけは…。」 少女はびっくりした。 「え!私たち、人間じゃないの!?」 「そうじゃ。 わしらは流れ者のサルじゃ。 …残念だが、うつけはこの田舎に戻ってこれん。」 「それまた何でです?」 井戸端会議は、村の会議となった。 「わしらサルが街に出てみぃ。 捕まえられて、動物園送りじゃ! …げんに、ありがたみを解らぬものは全員街に行ったまま、今まで帰って来なかった…。」 そう言うと皆は、光輝く街を見て言った。 「街は、地獄じゃ。」 その頃、雄太は… 雄太「街は遠いなぁ。 いくら歩くの好きでも、こんなん無理だな。」 そう言い、山から降りた。 なぜか周りが騒がしくなってきた。 雄太「(何か聞いてみよう。)あの、自分、田舎から来たんですけど…。」 「~~!ーーー!!」 雄太「??」 ~人目線~ 雄太「ウキッウキッ!」 「うわ!サルだ!!」 「ホントだ! 警察を呼ぼう!!!」 ~雄太目線~ 雄太「? (言葉が違うんかな?)」 ワンワン! 雄太「うわ! なんだあれ! …生き物か?」 「サル!!お前どっか行け!」 雄太「…サ…サル!?」 「お前、まさかサルだと認識してないのか?」 雄太「え…。」 余りにものショックで固まってしまった。 「とにかく!山に戻った方が身のためだぞ? じゃないと、芸を仕込まれて散々な目にあう。」 雄太「…確かに…。 人がでかい…サルなのか。」 「おいおい。 俺の話を聞いてたか? とにかく、山に帰れ!」 雄太「お…おう! ありがとう!」 走って山の方に逃げた。 雄太(あいつは何て言う動物なんだ…?) すっとんきょうなことを考えながら走った。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加