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真っ白い部屋
窓には真っ白いカーテンがかかっていて、風に煽られてふわりとなびく
ひとひらの花びらがひらひらと病室へ忍び込む
横になっている少女の元へと
薄ピンクの花びらは、春の訪れを教えてくれた
いつの間にか季節は巡っていた
少女は花びらをそっと掴み
愛おしそうに眺める
ベッドに腰掛ける少年に少女は微笑みながら花びらを見せる
少年は笑って少女の頭を撫でてやった
静かな、でも確かに存在した
優しく、そして悲しい時間
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