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「小宮流星。桐原中出身で、チャリ通。好きなのは…あぁ、猫好きっす。あーでも猫被った女は嫌いな方向で。」
そうして新しいクラスで一番に笑いを取った彼は、嫌味のない笑顔に低い声。
背は高めで、足も長い。
なんて言うんだろう。
声は低いけど少し甘くて、耳に入るのが心地好い感じ。
同じクラスになれた上、出席番号順に並んだ机は斜め前。
本当に夢みたいだ。
入試でも同じ教室だったんだよ。
きっと…覚えてなんかいないよね…
入試だからもちろん喋ることもないし、誰もが自分のことで精一杯。
でも、あたしはつい見とれていた。
窓際で、あたしからは左に二列、前に参列数えた席。
癖なのかなと思うくらいに耳たぶをペンで叩いてた。
顔もまともに見えなかったのにおかしいかな。
その時から『好き』が始まった…なんて。
まだ合格もしていないのに、同じクラスになりたいと願ってた。
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