FIRM/修兵

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「…んなこと、 いくらでもやってやる! おまえがしてほしいならいつだって!」 おまえに泣きやんでほしくて必死な俺。たく、変な汗が出てきやがる。 それでもひたすら泣き続けるおまえに、俺まで泣きそうになったりして。 「…そうじゃないの。 どんな時もだなんて無理なの、こうやってしばらく修兵が帰ってこなかったり… もしかしたらあたしが異動になって修兵と離れちゃったり…、 何があるかも分からなくて、常に一緒にいられるなんて無理なんだもん…。 …だから…我慢しなきゃ…だ…め…」 考えるよりも先に体が動いた。おまえを抱き締めなきゃいけない気がしたから。 …そう思ってるのはおまえだけじゃないって知ってたから。 「関係ねーよ! おまえがいつ、どこで、何してようが俺は絶対そばにいるから! 絶対隣りにいるから! …だから我慢なんかすんな。いつものおまえでいいから、強がったりすんなよな。」 ボキャブラリーなんてもんは全くといってない俺は、こんなことしか言えない頼りない人間かもしんねえ。 ただ…おまえを好きで好きで仕方ないのは俺も同じだったから、強がる気持ちも痛いくらい分かってた。 「約束する…、 俺は死んでもおまえをこの手から離したりしねえ。 どんな時だって絶対一緒だ。 …だから、おまえにとってもそうあってほしい。」 最後は本音だ、強がりの俺の情けない本音。 「…うん。」 やっと泣きやんだからほっと胸を撫で下ろす。 いつもの笑顔の裏に隠れてた気持ちに気付けなくて申し訳なさ半分、嬉しさもあった。 俺と同じくらい好きでいてくれる。それだけで天にも上るくらい嬉しいわけで。 これからはおまえのこと死ぬほど好きだって、めちゃくちゃ強気で宣言してやる。 強がるのはもうなしだ。 *END
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