SWEET SMELLING/冬獅郎

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「…おまえ、 香水でもつけてんのか?」 縁側に座り込んだ小さな後ろ姿からふんわりと風と共に香る甘いにおい。 「え、あたし体臭あるんですかね。そんなににおいます?」 「いや、臭いとかじゃねえけど。」 「あ、フェロモンとか! もう隊長ったら、惚れないでくださいよ!笑」 振り向きざまに微笑む顔と、またあの香り。なんだか調子が狂う。 「あれ、隊長顔赤くありません? あたしのフェロモン効果かな…。」 「なっ…、なにがフェロモンだ!そっち向いとけ!」 「はいはーい。」 「…ったく」 もしフェロモンだってんなら余計な虫まで寄ってくんのかよ、そりゃ困りもんだ。 「隊長、何か言いました?」 ふふって笑いながらまた振り向くから、地獄耳かよって言い返す。俺の顔はまたさぞかし赤いんだろう。 「このフェロモン効果、お強い十番隊隊長にも通用するんですかね…?」 向こう側へ向き直したから表情が分からなくて、どういうつもりで言ったのか察せない。ずるい奴だ、ったくよ。 「…専門外だ。」 やっとのことで言葉にすると、ふいに立ち上がってこっちを向きやがるから変にかしこまる。 「…じゃーあ、 ぜひ攻略してくださいねっ、たーいちょ!笑」 からかうような笑顔と甘い香りに包まれて、思考回路がますます狂う。 望むところだなんて意気込んでみたものの、そばにいるだけでこんな状態で大丈夫かよ俺。 まだまだ修行が足りねえか。 END*
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