一章『夜の界』

4/13
前へ
/237ページ
次へ
4月20日夜9時、また学園内の何処かで戦闘が始まった。 東西南北に四つの離れた校舎を、一本の渡り廊下で繋ぐ特殊な構造をしていて、グラウンドと体育館が二つずつある。 北の校舎は教室棟、東が実習棟、西が職員棟、南が管理棟。 校門は南側にあり、北側に体育館、南側にグラウンドがある。 その他は完全に木々に覆われている。 戦闘は実習棟屋上で行われていた。 「逃げずに来たな…【力の支配】(フォースマスター)、お前を倒せばMクラスに上がれるんだからな!!」 「逃げる理由なんて無いな、少なくとも複数人で群がってかかってくる奴らにはな」 【力の支配】と呼ばれた人物は、上半分が黒く染まり、目の部分が白の真っ白な仮面をつけていた。 銀髪で黒いコートを羽織り、袖からは鎖がだらりとぶら下がり先端にはナイフがついていた。 「かっこいい事言うのねぇ【力の支配】さん、でも八対一でもそんな事言えるの?」 初めは屋上に三人しかいなかった相手が、ぞろぞろと現れ八人になった。 「どうですかぁ?【力の」 【力の支配】は相手の発言を遮るように言う。 「ゴミ共がッ!!」
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加