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まさかのノーダメージ……すると、妹がうちの前に出てきた。
「母さん、セリ(うちの座敷犬)のしっこちゃん連れてった?」
途端に母の姿が薄れて女王の姿に戻るや、激しく悶絶しだした。つーか、その台詞(呪文)は反則だろ。
当の妹はしてやったり顔で振り返る。
「よし姉ちゃん、とどめよ!」
うちは気を取り直して、とどめの呪文を叫んだ。
「あの世へさようなら~!」
王の間に断末魔の叫びが響き渡る。マキコ女王はガラスのように粉々に砕け散ったのだった。
――こうして、諸悪の根元であった女王を倒した姉妹は、この国の平和を見届けた後、二人の女王として君臨――
「姉ちゃんはいいかもしれんけど、うちは帰してよぉ!」
「うちだってもう帰りたい!」
……めでたし、めでたし?
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