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「そちらがその気なら私も本気で行かせてもらおう」
男は槍でアランの攻撃を弾くと、連続でアランを突いた。
「っ!」
アランは男の連続をなんとか刀で受け流した。
「受けよ!
“スパイラルゲイン”!!」
男は槍を高速で回転させ、その強大な遠心力を利用しながら槍でアランを突いた。
「ぐぅぅ!?」
アランはこの攻撃を刀で防いだものの、衝撃を押さえきれず、そのまま吹っ飛び、木に激突した。
「スゲー…アランを吹っ飛ばすなんて…」
ファルスは目の前の光景を見て唖然としていた。
「まだまだだな小僧。どのような理由で私に戦いを挑んだのかはしらないが、未熟すぎる」
男は槍を背中に背負うと木に寄り掛かっているアランを見た。
「…うぐっ…ふざ…けるな、忘れたとは言わせない…」
アランはよろよろと立ち上がりながら言った。
「お前が俺の家族を…その手で殺したんだ!!」
アランがそう叫ぶと男は驚いた表情をした。
「…小僧、名前は?」
男は短くそれだけ言った。
「アラン・ジェラルドだ」
「!!!!」
男はジェラルドという名前を聞いた瞬間に顔色を変えた。
「そうか、お前は十年前の…」
男はそう言うと寂しげな表情を浮かべ、空を見上げた。
「何故…お前は何故、俺の家族を殺したんだ!?」
いつもは冷静なアランも、今回ばかりは完全に取り乱していた。
「…デルタ遺跡を知ってるか?」
男はアランの質問には答えず、そんなことを言った。
「デルタ遺跡だと?」
「…確かジュベル大陸の北側にある遺跡だよな…」
突然の質問にアランが驚いているとファルスが答えた。
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