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四人は森の中を歩き続け、ようやく出口に着いた。
「はぁ…久しぶりに外に出た…」
エレンはため息をついて言った。
「お帰りなさいませ。依頼の方は成功しましたか?」
森の外で待っていた馬車の運転手は言った。
「ああ。それより頼みがあるんだが…」
「なんでしょう?」
「そこにいる女二人も俺達と一緒にマーメイドに連れていってくれないか?」
アランがそう言うと運転手は笑顔になった。
「お安い御用です。先程魔物から助けてもらったお礼もかねて、お嬢さん達は無料で乗せてあげましょう」
「悪いな」
アランは短くお礼を言うとニーナ達に馬車に乗るように促した。
「へぇ、あんたって見かけによらず優しいのね」
エレンは感心するように言った。
「それは助けてもらった奴に言う言葉か?」
アランが呆れたように言うとエレンは苦笑した。
「出発しまーす!」
運転手がそう言うと馬車は揺れながら動き出した。
「キャッ…!」
ニーナは揺れたことに驚いたのか小さい悲鳴を上げた。
「王国の馬車とは違い、多少揺れますがお許し下さい」
エレンはニーナ頭を下げて丁寧な言葉遣いで言った。
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