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「安請け合いするな」
アランはファルスを睨みながら言った。
「だって、マーメイドのギルドメンバーならアランや俺がトップクラスだし、いいんじゃねぇかな?」
ファルスは自慢気に言った。
「お前の考えを俺に押し付けるのはやめろ。それに俺にはやることがある」
「デルタ遺跡に行くことか?」
アランはファルスの言葉に少し驚いたが、頷いた。
「だったら目指す方角は同じなわけだし、手伝ってもいいじゃねぇか。逆に手伝ってもらうこともできるし…」
ファルスがそう言うとアランは馬車の壁を思い切り殴りつけた。
「手伝ってもらうだと…?これは俺の問題だ。俺一人でやらないといけないんだ」
アランは低い声にファルスは驚いた。
「こいつらを助けたいならお前だけで勝手にやれ。俺は手伝う気はない」
アランはそう言うと立ち上がり、動いている馬車から飛び降りた。
「おい、アラン!?」
「じゃあな、ファルス。短い付き合いだったけど楽しかったぜ」
アランがそう言うと今度はニーナが馬車から飛び降りた。
「ニーナ様!?」
「ごめん、エレン!先にマーメイドで待ってて!!アランさんと二人で話がしたいの!」
ニーナが大声で叫ぶと遠くからエレンが渋々頷いたのが見えた。
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