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二人が去ったあと店員は店を片付け始めた。
(まさか売り始めたその日に6体の人形がすべて売れるとはな…)
世の中には面白いことがあるものだと彼は思った。
あんな目立たない場所に店を構えた店員のもとから法外とも言える値段の人形をためらいなく買ってゆく…。
常識では考えられないが、人間というのは常識などでは計りきれない生き物なのだ。
だが人間の観察などそれこそどうでもいい。
彼が興味があるものはただの研究だけであった。
人形に生命を宿したはいいが生きた人形の世話などに興味はないし、何より研究の邪魔になる。
こんなものはさっさと売るに限る。
そして彼はまた人形を作り始めるだろう…それが彼の生き甲斐なのだから。
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