喋る人形

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学習机、椅子、カーテン、ベッドにクローゼット。 あらかた調べたが特に異常はない。 その他の場所は…?虫かネズミでも入り込んだようなそれこそ小さな気配。 だったら殺虫剤か丸めた新聞紙だろうといらないノートを彼女は探した。 虫を叩き潰すと虫の体液がそこについて大事なノートが汚れてしまう。 そうなっては困るので彼女は警戒しながらノートを探した。 ノートはすぐに見つかった。後は場所を特定するだけである。 …カタカタ…。 音は右から聞こえてくるようだ。 そういえば本棚は調べただろうか? 彼女は調べていない場所を探した。 そして、触ってもいない本がピクッと動いた。 虫のせいとは思えなかったが愛美はそこに古びたノートの一撃を叩き込んだ。 バシッ!! 「うわっ!!」 何か人間の声が聞こえた気がした。 まさか、そんな訳はないだろう。 本棚の間に隠れるようなサイズの人間がどこにいるというのだ。 「ち、ちょっと待って下さい…!!」 声は育ちの良さそうな若い男子。 ますます非現実的ではないか。 そして本棚の本の隙間からちょこんと人影が顔を出す。 それは人形。ついさっきフリマで買った金色の髪の人形が喋って動いていた。
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