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愛美が食事を取った後、彼女は自分の部屋に向かい、携帯電話を取りだして電話をかける。
もちろん通話先はさくらの携帯電話だ。
しばらくの間は電話に出なかったが、やがて少し荒い息づかいが混じったさくらの声が聞こえる。
「もしもし…ああ、愛美?こっちは結構たて込んでいるのよ…。」
電話の向こうからガラスの割れる音と知らない男子の声が聞こえる。
どうやら相当収拾のつかない事態が起こっているようだ。
高校生には遅い時間だが、親友の家に用があると言えば何とか親を説得できる。
「…さくら…今からそっちに行くから…。」
祟りと親友のどちらかと言えば親友の方を取る愛美。
サッと上着を着て、上着のポケットにラリマーをしまい込むと、事情もろくに聞かぬまま、彼女はさくらの家に向かった。
同じ町に住んでいるが走りで10分ほどかかるのだが、そんなことは気にしていられない。
幸いもう遅い時間なので人通りがないので走りやすかった。
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