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「いらっしゃい。」店員は中年の男が一人だけだった。
まだ寒くもない季節に全身コート姿で少し痩せすぎていて骨が見える。
表情は至って穏やかで人が良さそうな人物に見える。
だが店員の人物像はそれこそどうでもいいこと。
これで最後だと二人は思い、雑貨を選び始めた。
最後の最後だけあって本当に売り物が少ない。だが目立つ所に二体の人形が並べられていた。
どちらも男性型で体長は15センチほどだった。
ちょうど着せ替え人形くらいのサイズで作りたてかまだ新しい。
だが、値段を見た時に二人の表情が固まった。
「15000円?」
「何よ、この無茶苦茶な値段はっ?」
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