■モーセ五書

4/4
前へ
/31ページ
次へ
それを維持する装置としての幕屋、祭儀(3大祝日、儀式)祭司の職務規定が発布される。肥沃文明からの脱出の困難性:王権の支配の強さと民の奴隷根性、モーセの粘り、フアラオとの交渉。奴隷解放の出来事を歴史として民族的に記憶し、伝統化する過ぎ越しの儀式。神と民との相務契約;神の外、人の上に人を作らず。自由と自律の部族共同体を維持する律法、十戒。国家権力によらない神中心の祭祀共同体理念。偶像崇拝の誘惑;金の子牛事件。幕屋の神殿化(祭司グループ、P伝承者の思想挿入)に見られる、神殿中心の祭祀装置など。 レビ記――P資料のみ 国家権力に寄らず、祭祀宗教による秩序維持の装置として、祭儀と法制の整備、聖と汚れのガイドラインを示し、祭司の権威の確立を行う。レビ記と言いながら、レビ族は25章32節で僅かに記述され、アロン系レビ族の祭儀独占を主張し、大祭司の世襲化を合理化する意図が見える。このレビ記の記者が、おそらくモーセ五書を最終的に加筆編集したと思われる(前5世紀半ば)。特徴=異教徒の中で信仰保持のため、聖なる存在とての儀礼的遮断の強調。祭儀の内容(律法違反時の贖い、汚れの除去など、罪からの清めの方法について)と神聖法集(生活と信仰の具体化-契約履行時の祝福、不履行の時の呪いと惨状などの26章は、申命記28章と酷似)。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加