第二章

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 それから何日か後、私はいつもの様に学校から自宅までの道程を自転車をこいでいた。  細い道に入り公園の脇を通ると、ベンチでお祈りをしている一人の男の子の姿が目に入った。  なぜこんなとこでお祈りしているんだろう……。  私は自転車を止め彼に近づいた。  あれ?ウサギクッキーの子。  彼は私が居ることも気が付かないまま目をとじ、固く組まれた両手を額にあてていた。5分ほど経つと彼は顔をあげ組まれた指をほどいた。 「こんにちは…」  私は声をかけた。  彼は私を見てニッコリと笑って言った。 「こんにちは!」
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