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家に帰るとエプロン姿のママがキッチンに立っていた。
「今日は遅かったわね」
そう言いながらママは小皿に入れた一口分のカレーを渡す。
「ちょっと甘いかな?」
私はカレーを口にいれた。
「うん。美味しいと思うよ?」
「そぉ?」
ママはカレーの鍋をかき混ぜながら言った。
「着替えて来る」
私はリビングのドアをあけ自分の部屋へ向かった。
石井勇希君か……。
私は彼のことを思い出していた。
ちゃんと家に入れたかなぁ……。
その時私の携帯の着メロの音楽が部屋に響いた。
空からのメールだ。
《若菜ぁ。今日ね、先輩と一杯話せたんだよ。ふたりっきりじゃなかったけど、途中まで一緒に帰っちゃった!》
空と同じバスケ部のモテモテ先輩に空は夢中らしい。
どうせ私は彼氏なし、好きな人なしの寂しい人間ですよー。
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