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「若菜ー。早くしないと遅れるわよ」
一階から叫ぶママの声を遠くに聞きながらに私は眠る。
ドタバタと階段をかけあがる音―――
「若菜! 早く起きなさい!」
ドアが開くと同時にママの怒鳴り声が部屋に響く。
「あ、ママおはよー」
ママは片手におたまを持ちながら呆れた顔をする。
「まったく! 今日は教会行くんでしょ?」
「あ…忘れてた」
ママはブツブツ言いながら今来た階段を降りていく。
私、川村若菜。
日曜日なのにゆっくり寝かせて貰えない中学二年生。
急いで着替え適当に寝癖をなおす。
こういうとき髪が長いって楽。
耳の横で二つに結んで、はい終了!
そして、アクセサリーボックスからロザリオを取出し首にかける。
「今日もいい日にしてよね! アーメン!」
あはは、ママが聞いたら怒るだろうな……
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