第一章

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 そして私は階段を降り、朝ごはんのお味噌汁の匂いを嗅ぎながら顔を洗う。 「若菜、急いで食べて!」  ママの声に急かされながら焼き魚をぱくつく。  なんて慌ただしい日曜日なんだろう…。  今日はママとパパのお友達の結婚式らしい。  しかも、二度目のね!  だから、朝から慌ただしいの。 「おーい。靴下これでいいか?」 「自分で決めてよ!」  パパの問い掛けに振り向きもせずスカートの裾を気にするママ。 「若菜も急がないと!」  そう言いながら今度は真珠のネックレスの長さを気にしている。  急げと言われても別に私も結婚式に出席するわけじゃない。
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