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夢を見ていた、ただただ朧気で何処か懐かしいと思わせる小さい頃の夢……。
おれはまだ小学校に上がる前で、いたずらっこだった気がする。
気がするって言うのは単に幼過ぎて覚えて無いだけなんだけど、極まれにこの日の出来事だけは夢に見る事があるんだ。
この頃は両親がいて、祖父さんがいて……とても幸せだった。
特に、祖父さんにはベッタリで自分でも相当なお祖父ちゃんこだった。
そんな祖父さんも、おれには凄く優しくていつもニコニコしてたっけ……だけど、おれが悪さした時は物凄く怖かったんだけどね。
そんな事を思い出しながら、懐かしさに浸る。
そして――この日は、ある種おれの人生を変えた日でもあるんだった。
実は我が家は古くから続く魔術師の家系な訳で、当然魔術関係の曰付きの代物などが保管されている。
それを一纏めにした納屋が庭先にあるんだけど、祖父さんに中に入らない様キツく言われていて当然。小さい自分に、その危険性や意図なんて理解できる訳も無く。
たまたま祖父さんがいない間に中に入ってしまったって訳だ。
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