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当時のおれには分からない、独り言を言ったんだ。
「孫に、こんな……運命を押し付けるなんて、避けられない未来。邂逅――ああ、此が魔術師の性だと言うのか……私は」
そこで我に返ったのか、祖父さんはおれに対してニコっと小さく笑ったんだ。ただ一点、謎と哀しそうな瞳が印象的だった……。
夢は、何故かいつも此所で終る。
何だか歯痒い物だけを残して、おれは……先程から聞こえる何かに意識を向けた。
「――間……間宮、間宮瀬貴!!」
「は、はっ!? ガッーっ?!!!!」
ガタッと言う大きな音と共に、勢いよく膝を机にぶつけて悶絶。
ドッと笑い声が教室に響いた、ついでに涙目で教師の方を見やると。何だかコメントし辛いと言った苦い顔。
どうやら授業中に居眠りしてたらしい、まあ昼休み後の授業って寝る為にあると思っていたり……。
「おいおい、間宮。お前やる気あるのか? 一応今年受験生だろ、もう少しシャキッとしろ!」
「あー、すみません」
寝ぼけ眼を擦り、いそいそと机に座る。
まあ、進んだ分は後で友人にノートでも見せて貰えばいいだろう。
そうしておれは、窓の外をぼーっと見つめたのだった。
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