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「……………っ」
「ハッ……ハァッ………ハァッ……」
情事を終えてベットに倒れ込む。
ここ二ヶ月任務が(誰かの陰謀か)入れ違いに入ってほとんど逢えなかったから、少し熱くなっていたかもしれない。
いつもなら事後はその余韻に浸っているけど、今日は疲れしか感じられない。
事後に疲れを感じるのは初めての時以来だ。
最愛の人は既に隣で眠りに落ちていた。
当たり前だ、あれだけ激しい行為を行ったんだから。
(起きたら腰が痛いとかなんとか文句言うんだろうな…)
なんて思った後、そう言われた時の謝罪の言葉を考えようとした所で限界がきた。
やっぱり熱くなりすぎたか――
俺はそのままベットに倒れ込んだ状態で眠った。
―――――――――――――――
――――――――――――
少し明かりが差し込んできて重い瞼を持ち上げる。
もう朝にでもなったのかと思ったがまだ外は暗い。
差し込んできた光はどうやら月のようだ。
その光が差し込んできた方を見ると、
「――スクアーロ」
彼が、起きていた。
「どうしたぁ、こんな夜更けに起きて」
「それはこっちの台詞なのな」
「誰かさんのせいで腰が痛くて寝れねぇんだよ」
「…悪ィ」
そう謝ったらスクアーロは笑って、
「まあ、腰が痛ぇのも確かだが月が綺麗だと思ってなぁ」
と言いながら月を眺めている。
その姿はとても綺麗で、そして、儚くて――――
「ゔお゙ぉい、どうしたぁ?」
スクアーロを後ろから抱きしめた。
「なんか…かぐや姫に見えたのな」
そう答えたら鼻で笑われた。
「俺は竹からは生まれてねぇぞぉ」
「そんくらい分かってるって、なんていうか…月の人にいつか連れてかれそうな感じがしてな…」
「月の人なんかより地獄の使者のお迎えが先だろうなぁ」
「……物騒な事いうなよ」
「職業柄そうだろぉがぁ」
なんて、ふざけて言ってんだろうけどふざけて聞こえないのが怖い。
「絶対、月の人にも地獄の使者にも連れていかせないのな」
スクアーロに聞き取られないよう小声で、それでもしっかりと呟く。
「――アンタを連れ去るのは、オレだ」
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