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愛車のレクサスから降り、球団関係者入り口へと向かった。 身分証を警備員に見せ通路を進む。 この行為にはすっかり慣れた。 入団仕立ての頃は、たったこれだけのことにも手間取っていた。そんなことを思いながら通路を進んでいくと、ロッカールームへと着いた。 ドアを開けると中には数人が居た。 各自思い思いのことをしている。 形だけの挨拶をし、自分のロッカーに向かった。 金のネームプレートに黒の文字で「TSUDA」と書かれている。 津田は散らかっているのが嫌いなのでロッカーは常に整頓されている。 それに対して横の赤嶺のロッカーはひどかった。 マンガやら雑誌やらが散乱している。 今にも雪崩が起きそうだ。 津田は目をそらし更衣を始めた。
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