動きだす二人の時間

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「え、な、何……?」 突然腕を掴まれ困惑する。 そのまま引き寄せられ抱き締められた。 「ち、ちょっと、離して。離さないと━━」 「夢なら……夢なら覚めないでくれ!逢いたかった!」 ギュッと抱き締められ戸惑う彼女。 抵抗しようとしていたのだが、何だか訳ありのようだ。 「ね、ねえ、離してくれない……?」 「嫌だ!離したくない!」 今この腕の中にいるのはシルビアだ。 その姿、その声さえも昔のままに……。 夢でもいい、今ここに彼女がいる。 「愛してます……。」 心地よい声で囁かれる愛の告白。 その言葉に彼女はうっとりとする。 こんなに素敵な男性が私の事を……? 「シルビア、愛してる……。」 名を呼ばれ、我に返った彼女がシャスタを押し離す。 「ちょっと待って!どうして私の名を知ってるの!?貴方は誰!?」 「シルビア……?私ですよ……?覚えていないんですか……?」 「確かに私はシルビアよ?でもこの地へは初めて来たし、貴方とも初めて会うわ。誰と間違えてるの?私はマクファーソンよ?」 驚いた事に彼女の名もシルビアだった。 これでは本当に昔の彼女そのものだ。 .
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