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「やはり貴女はシルビアです。これは彼女を火葬する時に私が握らせた物。私達の結婚指輪です。」
自分のしているリングを見せると、マクファーソンはあまりの出来事に言葉を失っていた。
「シルビア……。」
もう間違いはない。
リングがそれを証明している。
シャスタは茫然としたままの彼女に唇を重ねた。
20年待ち続けた彼女が戻って来た。
再会の口づけは長い長い口づけだった。
「愛してます……。昔と変わらず貴女を愛してる……。」
キスを終え、微笑むシャスタ。
マクファーソンは涙を流している。
「私……私は……」
「あっ!シルビア!」
涙を流し、彼女は走り去った。
「ど、どうして……」
生まれ変わった彼女が逃げて行った。
必ず戻ると言っていた彼女が行ってしまった。
足が動かない。
ショックで足が動かない。
彼女を追いたいのに足が……。
なぜ……。
どうして逃げる……。
分からない。
彼女の気持ちが分からない……。
どうして良いか分からず、途方に暮れるシャスタだった。
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