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翌朝、車に戻ったシャスタは悩んでいた。
シルビアを見つける事はできたものの、彼女は逃げてしまった。
生まれ変わっても愛は甦らないのか。
待ち続けた彼女が自分を受け入れてくれない。
再び巡り逢い、愛し合う事を夢見てきたシャスタにとって、これは耐え難い事だった。
「シャスタ、電話だ。女からだぜ。」
マイケルが陽気に話し掛けてきた。
シャスタは昨日の出来事を誰にも話していないのだ。
『女性から?』
「ああ、お前も隅に置けないな。」
『からかわないで下さい……。今はそんな気分じゃないんです……。』
毎年の事だと肩をすくめる。
今回も、彼女が現れなかった事に気落ちしているのだと思い、深く追求はしなかった。
「それより早く出ろよ。あまりレディーを待たすもんじゃないぞ。」
『……誰からですか?』
「マクファーソンだ。」
『えっ!彼女から!?』
意外な人物からの電話に驚いた。
電話をくれたと言う事は……自分を受け入れてくれるのだろうか。
はやる気持ちを抑えて電話に出る。
〔あの……、昨日会った場所に来てもらえますか?〕
『ええ!すぐ行きます!電話してくれてありがとう!』
断れるはずがない。
シャスタは海へと急いだ。
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