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ガレージにいるシャスタにマイケルが乗り込んだ。
「調子はどうだい、相棒。」
『私は至って元気ですよ。貴方と違って老いる事はありませんからね。』
「羨ましいよ。年は取りたくないもんだ。最近は体がついて来ないんだよな。」
『何を言ってるんですか、まだ46でしょう?これからも頑張ってもらわないと。』
その言葉に肩をすくめる。
そう、あれから20年が経ったのだ。
マイケルとシャスタは相変わらず仕事で飛びまわっている。
一時は財団を辞めようとしたマイケルだったが、結局は元の鞘に収まった。
だがもう46歳。
そろそろ後継者を育てようかと彼は考えていた。
『ところでマイケル。この前、仕事でマイアミまで行きましたよね。』
「ああ。それがどうかしたのか?」
『実はその時……シルビアを見かけたんです。』
「見かけたぁ?」
マイケルが顔をしかめる。
『ええ。観測モードにしていなかったのではっきりはしていませんが……。でも確かに彼女でした。彼女の姿を見間違うはずはありませんし……。』
「じゃあ見間違いだろ。あんなに綺麗な女性は二人といないさ。」
『そう……ですよね。彼女を想うあまりに幻覚を見たんですね、きっと……。』
がっかりした様子のシャスタに驚いた。
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