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「ハアッ、ハアッ」
荒い息を吐き出しながらひとりの少女は無我夢中で走っている。
その少女は見る者を惹きつけられずにはいられない不思議な魅力と凛とした美しさがあった。
髪は長く艶やかで美しい。
唇は紅をひいているのかと思うほどに朱い。
肌は雪のように白い。
少女の名前は“井上陽奈”といった。
その少女は道行く人々の視線を集めていることも知らずにただただ高校へと急いでいた。
今日は陽奈の通う高校の期末テストの日である。
昨晩、夜遅くまで勉強をしていた陽奈は朝、寝坊してしまい今に至るのだった。
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