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彼は間合いを十分に取ると、何かを口ずさんだ。
「さぁ、始めよう…これが本当の殺し合いだよ!」
次の瞬間、黒い煙りが辺りを包んだ。
「何だ!何が起こったんだ?」
俺は辺りを見回したが、黒い煙りで何も見えなかった。
だが、それだけではなかった。
さっきまで、当たり前に聞こえていた歓声が止んだのだ。
そして、代わりに聞こえて来たのは…二人の男の笑い合う声だった。
「まさか、こんな簡単に成功するなんてな…」
「おいおい、まだ終わってないぞ。王子様をまだ殺してないじゃないか」
黒い煙りが晴れると、そこはとある林の中だった。
「お前達、一体誰なんだ…」
俺はただ、自分の置かれている状況が把握出来なかった。
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