狙う者

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「なんだ、王子様は案外頭悪いんだ」 さっきまで戦っていた彼はそう呟いた。 「そうみたいだね、これで意味が分かるかな?」 新しく現れた男は、俺に目掛けてナイフを投げた。 「うわっ!」 ギリギリ交わしたが、ナイフが肌にかすり、少し血が出た。 「血…」 俺は全てを把握した。 此処は結界の外、そして相手は二人。 「俺を狙っているのか…」 俺は小さな声で呟いた。 「兄さん、時間がもったいないよ。早く始めようよ」 「そうだな…じゃあ死んでもらいますか!」 兄さんと呼ばれた男はナイフを投げた。
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