居場所

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ねぇ、ここは何処? 君と僕との距離が遠いよ 君は雲の上の人で 僕は君を遠くからしか見守る事しかできない だけど クリスマスには君に会える 君が傍に居てくれる日だけは温かく感じる 「時が止まれば良いのに」 そう願っても 時は止まってくれない 待ってくれない 時が変わる鐘の音が聞こえたら 君はここから消えていく 「また、会えるよ」と呪文を言い残して 僕は待った また 会えると信じて どれだけの時を待っただろう 皆は あまり待ってないと言うのだろうけど 僕にとっては長く感じた 君が 「また、会えたね」と呪文を解いたら 一時 時が止まる この瞬間に君の手をギュッと握ったら 君は驚いたような顔をしたけど すぐに握り返してくれた だけど時が変わる鐘の音には逆らえない 君は握っていた僕の手を離して 今にも泣きそうな顔をして僕を見ると 「ごめんね、」と言い残して消えていった 僕は待っている 時は変わり この身体が老えようとも 心は変わらない 「僕はいつまでも君の隣にいるよ」 二人の秘密の場所にいるよ 二人の居場所で 微かに残る温もりを感じながら
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