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ざぁぁぁ。
ざぁぁぁ。
雨が降っている。
顔を濡らしながら私は空を見上げる。
空は厚い雲で覆われていた。
「雨か……」
そう呟き、私は営舎に入った。
既に他の将軍は集まっているようだ。
主君の前なので、一応鎧と剣は衛兵に預ける。
「攻めるべきだ」
普段は末席で縮こまって、声高に名目だけの『平和』を叫んでるような軍師が、今日に限って盛んに発言していた。
何故ここにきて意見を変えているのか、その真意はわからないが、どの道自分の保身のためだろう。
臆病者が。
私はひそかに悪態をついた。
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