BSS #3 『天気雨』

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「これほどの数を、見逃すはずがないのに、何故だ」 陣形を整えようとするが、向こうがそれをする間を与えてくれない。 まるで囲い込むように斉射と突撃を繰り返す。 「者共、集える兵は我が元に。集え、我が旗のもとに」 大声で言い、暫くあたりの敵兵を叩き斬りながら待つ。 しかし、集まってきたのは、旗本の一部である数百騎だけだった。 これは、完全に分断されている。 「駆けるぞ、紡錘陣形」 それだけ言い私は敵の中へと突っ込む。 ただひたすら斬り、進んだ。 後ろをちらと見る。 どうも敵は、私だけを孤立させるつもりらしい。 旗本達だけを、執拗なほどにまで狙って討っていた。 次第に数はへり、そしてとうとう皆討たれて居なくなった。 それでも私は突き進んだ。
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