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「これほどの数を、見逃すはずがないのに、何故だ」
陣形を整えようとするが、向こうがそれをする間を与えてくれない。
まるで囲い込むように斉射と突撃を繰り返す。
「者共、集える兵は我が元に。集え、我が旗のもとに」
大声で言い、暫くあたりの敵兵を叩き斬りながら待つ。
しかし、集まってきたのは、旗本の一部である数百騎だけだった。
これは、完全に分断されている。
「駆けるぞ、紡錘陣形」
それだけ言い私は敵の中へと突っ込む。
ただひたすら斬り、進んだ。
後ろをちらと見る。
どうも敵は、私だけを孤立させるつもりらしい。
旗本達だけを、執拗なほどにまで狙って討っていた。
次第に数はへり、そしてとうとう皆討たれて居なくなった。
それでも私は突き進んだ。
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