BSS #4 『東雲草の去りて』

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『咲くさ。私の命ある限り、そいつは私だ。枯れるはずがないだろう』 そう言っていた。 彼の言う通り、東雲草は咲き続けた。 まるで東雲草が、彼のように。 その凛とした藍色を誇り、背筋をしゃんとのばして。 だが。 それから、二日経った。 その東雲草が、萎れていた。 俺は彼の言葉を思い出していた。
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