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――咲くさ。私の命ある限り、そいつは私だ。枯れるはずがないだろう――
嘘だ。
ありえない。
そんなはずはない。
俺は東雲草を懸命に元気にしようとした。
だが東雲草は日ごとに萎れ、そして。
枯れた。
枯れてしまった。
俺は、彼の実家へ走った。
俺の家からは大して遠くない。
二つ、三つと角を曲がり、最後の角を曲がった瞬間。
彼の家が見えた。
特に何も変化は見られない。
呼び鈴を鳴らそうと、扉の前に立った。
その時だった。
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