決断の時

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明日のために、高いジャケットとパンツを買ってしまった。バイトもしていない僕には激しい痛手だった。店員さんは「とてもお似合いですよ」と絶賛してくれた。思えばこれはマニュアル用語ではないかと今振り返る。彼らの、人の気持ちを引き込む話術を僕に少し分けてもらいたいものだ。ただ、デートのために服選びをするのは悪い気持ちにはならない。むしろ楽しみが一つ増えるくらいだ。
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