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そして、彼女の一言で僕は顔が燃え上がるほどに真っ赤になった。
「そんなに恰好が良いのに緊張するなんてもったいないですよ。」
[こ…この子は女神だ…]
ものすごい恥ずかしく、そして嬉しかった。気合い入れて良かったと思った。
「咲さんもとっても綺麗だよ」
これは公園内に入る前から思っていた事だ。彼女は白いワンピースを着こなし、モナリザを思い出させるはど絵になっており、美しく見えた。
「そんなお返しのお世辞はいりませんよ」
咲の顔も赤くほころんだ。本心を率直に言った言葉だけに、喜んでくれると素直に嬉しい。
「あ、それと私は『咲』で結構ですよ、さん付けは不要です」
咲は未だ赤みがかった顔で僕に言った。
「じゃあお言葉に甘えて。それと僕も『涼』で良いよ。あと僕の方が年下だし敬語なんかいらないって」
咲は育ちが良いのか、常に丁寧な敬語で接してくる。しかしやはりタメ口の方が親近感も沸くし嬉しい。
「敬語は癖で…止めるのは時間がかかるから、少しの間は我慢して……ね?」
照れくさそうに咲はいった。そんな小さな表情一つ一つを見るのが僕は好きだった。
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