樹の下で出会った日

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その日からだった。毎日のように彼女はスケッチを広げ、ひたむきに絵に没頭している。邪魔しては悪いし、僕は公園に着いては帰りの繰り返しの日々が続いた。 そんな事が四日も続いたその日は、さすがにもう最後と決めていた。今日居たらもう来ない、自分の中でそう決めて抜け道をゆっくりと歩いていった。 今日も居た。帰ろう。最後に樹木を見上げ、引き返そうとした時だった。
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