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「尊王攘夷派は近々会合を開く予定です。場所は旅館四国屋、もしくは池田屋。」
「相手もびびってやがるな。古高が捕まった事が結構きてるようだ」
土方は鼻で笑った。
「うむ、危険を省みず会合を開くには何か重要な目的があるのやもしれんな。」
「おおかた、今後の作戦会議だろ。古高は失ったが、あっちはあの娘を得た。こっちの情報でも吐かせているに違いない。」
「そうなると厄介だな。優奈殿を使って、こっちに揺さぶりを掛けてくる可能性も有り得る。」
優奈は新撰組の内部情報を知る存在だ。
隊内の詳細は知らないかもしれないが、それ以外の情報、特に沖田については良く知っている。
沖田を部屋から出し、隊士へ再び戻したのは優奈だ。
その事を吉田が知れば、どんな手を使ってでも優奈から情報を引き出すだろう。
傷つけようが、何をしようが構わない。
それが冷血な男、吉田の手口だ。
「て、事はだ。この会合、あの娘の使い道についての会合かもしれねえぜ」
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