平成生まれ

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「すんません。本当にすんません」 「いやいや、気にする事は無い。人は誰であろうと間違うものです」 あれから口が裂けるほど弁解した。 単語の意味を分かっていないのをいい事に、自分の恥ずかしさは伝わらないよう一生懸命になった。 「早速で悪いのだが、君の部屋へ案内しよう。」 近藤はそこまで気にしていないようで、くるりと方向転換し歩き出した。 背中を追うようにして、後に続く。 ちょっと立ち直れた。 「部屋?」 「ここは男所帯。おなごのお主を皆と寝かすわけにはいきませんのでな」 あー...なるほど...ん? 「男所帯?」 「そうです。ここは、強い腕を持った男達が集う新撰組なのですから」 こちらに振り返った心配気味の近藤に向かって大声を張り上げたのは数秒後だった。
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