限定的な力

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「……何で付いてくるんだよ」 「人に手伝わせといてその言い草はなんですの?」 「いらなくなったらポイッて捨てるのね、誠治サイテーだ!」 現在、三人は誠治の手の甲の魔力を元に、ひかるのいる場所へ向かっている。 本来、誠治は玲菜に狗族を一体だけ借りて、一人で行こうとしたのだが、二人とも後ろからずっと付いてくるのだ。 「……マジで危険なんだよ」 誠治が声のトーンを低くしてそう言ったが、二人は尚更一人では行かせないと二人揃って誠治に言い放った。 「……知らねぇぞ」 そんなやりとりをしているうちに、一つの建物へと着く。 狗族の反応は、この建物の中に居るといったものだった。 「さて、どうするか…………ん?」 不意に中から騒がしい音が聞こえてきたと思ったら、いきなり正面の門が開き、黒服が大勢、建物内から出てきていた。 「ふんっ、これだけで私を止めらると思ってるのでしょうかね?不愉快ですわ」 「ほらっ、一緒に来てよかったでしょ?一人でこれは辛いでしょ」 玲菜と愛流の二人はズイッと前へ出てそう言った。 そして二人とも、ここは任せろと言って黒服連中へと突っ込んでいった。
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