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混乱した頭を抱えて、再び裕さんの個人部屋に戻った。
『雛:ホンマや…じゃぁ、』
「ふふ、雛ちゃん喋ったらええで?」
少し高いトーンの落ち着いた声。
…この声…好きやなぁ…。
自分はと言うと、関西人特有の喋り擦れた声。
仮にも“雛ちゃん”って名乗ってる自分のこの声に、相手はがっかりするんやないやろか…。
『雛:…声、期待せんといて?』
「んー?…分かった(笑)…早よ雛ちゃんの声、聞きたい。」
…いっ…いくで…っ
ただ声を発することに、こんなに緊張することがあるだろうか…
俺は、遠慮がちに擦れた声を発した。
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