チャットルームを抜け出して

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  ザザー… 波の音が二人を包み込んで、隣に転がっていた裕さんの顔が目の前に現れた。 「俺…、まだまだお互い知らんことも多いと思うねん。けど…」 ザザーン… 波の音で掻き消された声は、海にも、月にも聞こえない。 …ただ、俺だけに。 “雛ちゃんのことが好きやねん…” もちろん、俺の返事は決まってる。 「…俺も好き…//」 そのまま重ねた唇はすぐに離れてしまったけど、二人の心は重なった。  
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