BAR:∞

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  「…ふっ…とりあえず、何か飲む?」 「…おん、何かつくって。」 初めて来た店やし、何が美味しいんか分からん… そう思って、店員さんにおまかせした。 「…じゃぁ、いいもん見せたるから、見ときや。」 この店のウリやねんで。 そう言って店員さんは、ふっと得意げに笑った。 すると、鉄のカップを手に取り、氷を高く投げた。 キャッチ …ボテン …落ちた? 今度はボトルを手に取ると、くるくる回しながら、高い位置から注ぎ始めた。 …ジョボボ …溢した? 最後にストローと花を飾ると、カクテルが出来上がった。 「…っふ、…あはははは!!」 出来上がったカクテルは、氷は結局後から入れてたし、ちょっと溢してたから量も半分くらいで… でも、一生懸命やってくれた店員さんに、思わず吹き出してしまった。 「…やっと笑ぉた。」 そう言って、ふふっと微笑む店員さん。 …もしかして、笑わすために? 「…ホンマは完璧にやって、笑ってもらうハズやったんやけど。」 「…ふっ、ははは!…」 なんや…おもろい店員さんやなぁ。  
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