BAR:∞

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  後日、何故だかまたあのバーに行きたくなって…気が付くと、足が勝手にバーに向かっていた。 カラン… 少し聞き慣れてきた音を鳴らしながら、店に入るとカウンターに目をやった。 …あ、いる…。 なんだか嬉しくなって、少し早足でカウンターまで歩いて声を掛けた。 「こんちは。…あん時はありがとぉな。」 へへっと笑いを浮かべると、店員さんはいいえ、と微笑んでくれた。 「…今日もやってくれる?アレ。」 またあのパフォーマンスが見たくて言ってみたけど、店員さんはう~ん…と首をかしげている。 「…やっぱ、アカンな。…あれは特別なもんやからな。」 少し考えてから、最後はおどけた感じでふふんと笑った。 「店のウリやって言うてたやん。」 釣られて笑いながら言うと、俺のがやって。と念を押された。  
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